Vodafone 702NKII(Nokia 6680)のディスプレイモード (2005-12-18)
「Vodafone 702NKII」がようやく発売されたとのこと。端末自体は「Nokia 6680」と同じもののようですね。
スペック的には702NK(Nokia 6630)と大差なく、目立った変化はテレビ電話用のサブカメラがついた程度なのかな……と思っていたのですが、開発者的な視点から見るとかなり重大な変更点がひとつ。
702NK(Nokia 6630) | 702NKII(Nokia 6680) | |
解像度 | 176×208 | 176×208 |
色数 | 65,536色(16bpp) | 262,144色(18bpp) |
色数が26万色になっています。これにより、1ピクセルの色データが16ビット内に収まらなくなってしまうわけで、ソフトウェア側から見るとかなり影響が大きい変更点だといえます。Symbian OSのディスプレイモードには「18bpp」というモードはなく、おそらく内部的には1ピクセルを32ビットで扱っているのだろうと推測します(「CCoeEnv::Static()->ScreenDevice()->DisplayMode()」で返ってくる値が「EColor16MU」になっていると予想)。
もちろん、ピクセルデータの内部表現が変わったところで、そのあたりはSymbian OSの表示系まわりで差異を吸収してくれるため、既存ソフトウェアのほとんどは正常に動作するはずです。ただし、ゲーム系アプリケーションなどで、高速な描画を行うためにフレームバッファを「直に」読み書きしているようなプログラムは、正常に動作しなくなる可能性が高いでしょう。
また、ビットマップ貼り付けなどの処理でも、速度面に影響が現れることが予想されます。ビットマップ貼り付け処理では、ビットマップデータのフォーマットとスクリーンデバイスのディスプレイモードとが一致していない場合、内部でフォーマット変換処理が発生するために速度が低下してしまいます。既存ソフトウェアのビットマップリソースのフォーマットは「EColor64K(16bpp)」形式(あるいは「EColor4K(12bpp)」形式)であると思われるので、速度低下は免れないところかと思います。やはり、既存のゲーム系アプリケーションを動かすにはいろいろ厳しいのかも。
と思いきや、「(702NKより)動作が機敏になった」との報告があちこちからあがっているようですね。ちょっと意外です。どういう仕組みで速くなっているんでしょうか?